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内閣が検察官の定年を恣意的に延長する裁量を持つことの意味

神保哲生 神保哲生 2020/5/12

改正案には検事総長の定年の3年延長も含まれているようなので、黒川さんは最長で2025年まで検事総長に居座ることが可能になるということです。だから黒川さんには直接影響しないという前回の投稿は間違いでした。ごめんなさい。

ただ、もともと検察官の任免権は内閣にあるので、単に定年が延びるというだけで、直ちに官邸が検察を支配下に置くことになるという見立ては少々無理があるような気がします。やはりこの改正案のポイントは、内閣が特定の検察官の定年を恣意的に延長する裁量を手にすることによって、政権の言うことを聞く検察官を一本釣りして、例えば政権にとって不都合な事件を捜査している地検の検事正に据えることが可能になるところにあるのではないかと思います。政権がやりたい放題やるためには、第2、第3の黒川さんが必要なはずなので。